MVPトリオ率いる圧倒的な打線
今シーズンのドジャース打線の総得点はDバックスに次ぐ2位の842点。また、打率もパドレス・Dバックス・アストロズに次いで4位。ホームラン数もヤンキース・オリオールズに次いで3位と、安定してどの試合でも常に得点していた印象の【打線】のチームでした。
クラッチで繋ぐスモールベースボールというよりは、ナ・リーグ本塁打王の大谷翔平をはじめ、ホームランや長打が多い印象のチーム。今シーズンは怪我人続出で先発が安定せず先制されることも多かったですが、5点差以内なら諦めずに応援していました。
大谷翔平、ベッツ、フリーマンのMVPトリオ以外にも、テオスカー・ヘルナンデス、マックス・マンシー、後半の打線は湿ったもののウィル・スミス、シーズン途中加入のトミー・エドマンなど、日替わりで活躍する選手が出たり、他チームよりも圧倒的に下位打線から繋ぐシーンも目立ちました。
また、右打者と左打者をジグザクに並べることで、大谷翔平対策で左ピッチャーを当ててきてもベッツ以下の右打者が爆発したりと、なかなか手強い打線だったと思います。
またワールドシリーズでも強く感じたが、ヤンキースのように待ち姿勢の【逃げの四球】ではなく、【攻めの四球】でストライクゾーンかどうかの見極めが上手い選手も多かった。
スケールの大きい野球がドジャースの野球だとはわかっていながら、クラッチできる選手が増えれば、もっともっと手がつけられないチームになっているのではないかと思うのはワガママでしょうか・・・
データ引用:TSPスポーツhttps://www.tsp21.com/sports/mlb/stats/teamb.html?8
救援リリーフ陣の温存
ロバーツ監督が1年通して徹底していたのが、捨て試合もこなしながら選手を休ませていたこと。
特に救援のリリーフ陣に対しては、連日使うようなことはなく、回またぎもポストシーズンまでほぼ見ないほど大事に使っていた印象。
シーズン途中にベッツは左手骨折の怪我、フリーマンも三男・マキシマスくんの難病や右手中指の骨折などで休む期間があったが、記録がかかっていなければ本来は大谷翔平もたまに休ませていたことでしょう。
リードが大きい試合では早めに交代させて帰らせることもありました。
シーズン序盤から地区内で良い位置をキープでき、余裕があったからこそできたことかもしれないが、選手のことを大事にしていたのは間違いない。
それゆえに投手・野手関わらず、シーズン通して怪我人が多すぎたのは納得がいかないが、、、、
シーズン終盤は先発ローテーションが3人だったためにブルペンゲームを作らざるをえない状況が続き、地区優勝がかかるような大事な場面でも、ワールドシリーズのために先を見越してとにかく救援陣を酷使せず大事に使ってきたからこそ、ポストシーズンでの投手陣の快進撃があったのは間違いない。
シーズン途中の補強メンバーの成功
ポストシーズンのために7月末のトレードでドジャースが獲得した主な選手。7月の月間防御率が30球団ワーストだったこともあり、投手陣2名を補強。
①ジャック・フラーティ(タイガース)
トレードまでに今季7勝、防御率2.95。両コーナーを丁寧に突く投球が持ち味の先発右腕。
②トミー・エドマン(カージナルス)
内外野複数ポジションを守ることができ、また貴重なスイッチヒッター。2021年には二塁手部門でゴールドグラブ賞を受賞したほど、守備走塁に定評あり。
③マイケル・コペック(ホワイトソックス)
100マイル(約161キロ)を超える剛速球を武器とし、2021年には44試合登板で防御率3.50。先発、リリーフ、クローザーもこなせるフォーシームが武器の右腕。
③ケビン・キアマイアー(ブルージェイズ)
ゴールドグラブ賞4度の中堅手。MLB12年目のキアマイアーは今季限りでの現役引退を表明していたが、怪我人の多い野手層の拡充のために、守備走塁に長けたベテランを補強。
MLBが2022年にポストシーズンのワイルドカード枠を2つ増やしたことにより、トレードデッドラインになっても多くのチームにポストシーズン進出の可能性が残っていたため、大型トレードは厳しいだろうと言われていた。
噂されていた、タイガースのタリック・スクーバル投手(当時12勝3敗)やホワイトソックスのギャレット・クロシェ(当時リーグトップの160奪三振)などの大物選手のドレードはなく、正直がっかりしてしまった私。。。
しかし結果論、大物獲得のために有望株の若手選手を大量に放出してしまうようなこともなく、ファームを傷めることなくトレード選手が大活躍してくれたのだから、大成功だったと言えるでしょう。米メディアでも、ドジャースのトレードが一番健全で上手なトレードだったという報道も目立ちました。
特にフラーティ、エドマン、コペックの大活躍には本当に助けられました。キアマイアーの守備も本当に上手く、後半の守備固めなどでよく使われていましたね。全員がすぐにチームにも溶け込んでおり、ダグアウトでの雰囲気も良かったですね。
数々のトラブルや困難を乗り越え、支えあった最高のチームワーク
ドジャース出戻りのキケ・ヘルナンデスやミゲル・ロハスは、ダグアウトでもチームを盛り上げる姿が目立ちました。キケは「かめはめ波」ポーズ、ロハスはデコピンポーズと、ホームに戻ってくる際のセレブレーションも有名でしたね。
水原一平元通訳の違法賭博による解雇の際にも、移籍後すぐの大谷翔平の記者会見の際には、ジョー・ケリー投手とキケ・ヘルナンデスも同席してサポートしました。ワールドシリーズ優勝後に、フリーマンはこの事件がチームの結束を強くするきっかけになったと語っていました。
その後もベッツの左手骨折、フリーマンも三男・マキシマスくんの難病や右手中指の骨折、野手・投手ほとんどの選手が入れ替わりトラブルを抱えていました。野戦病院化していたドジャースですが、ポストシーズンには何とかギリギリの状態で迎えていた印象。フリーマンはベッツがホストを務める番組で、「いつもはポストシーズン前には過去の色々なことを考えすぎてしまうが、怪我を治すことにとにかく集中していたので逆に良かった」と語っていました。
2年前の2022年、ドジャースは第1シードとしてポストシーズンに臨んだものの、地区シリーズでパドレスに1勝3敗で敗退。ワイルドカードシリーズを勝ち上がってきたパドレスの勢いの前に屈した。
事実上の決勝と言われた、今年も勢いと実力を兼ね備えたパドレス相手に第5戦までもつれ込む熱戦の結果勝利したドジャース。同じ失敗を繰り返さないためにどうしたらいいか、チームメイトとたくさん話し合ったと言います。いつもは別々で家族で移動する地区シリーズも、今年はチーム全員でバス移動。
ヤンキース本拠地でのワールドシリーズ中は、大谷翔平・フリーマン・カーショーの驕りでチームみんなで食事をともにした。とにかくチームメイトと多くの時間を過ごすことを意識したそうです。その結果、一人一人が「チームのために自分に出来ること」を自然と考え、仲間を信頼し、リラックスした状態で臨めたと言います。
MVPなのに利他的な大谷翔平・ベッツ・フリーマンの存在はもちろん、ワールドシリーズ優勝経験者のベテラン選手の存在、様々な困難を乗り越えたからこそのチームワークが一番の勝因だと思います。
長期契約の選手はごくわずかなドジャース。FAになる選手も多いが、来シーズンも大谷翔平投手の復活をはじめ、さらに強くなったドジャースが見れることを期待しています。